繰り返し地震に備える ~制震住宅の有効性~
2016.04.20
- 制震住宅・制震ダンパー
熊本では頻発地震が続いています。
この地方においても東南海地震などの可能性が高まっています。
阿部建設では東日本大震災以前から「エコ住宅は防災住宅」と称した防災機能をを高めた住宅をつくってきました。
その住宅が大森エコタウン1モデルハウス(2010年竣工)並びに新たに建設をした「手しごとの家」新モデルハウスです。
ここにはライフラインが途絶えても、井戸で水を供給したり、太陽光発電でお湯や電気を供給出来ます。太陽熱を利用したOMソーラーで暖房も賄えます。
更に発展した考えのもと、防災エコタウン(小牧市味岡エコタウン)を提案しています。
1軒で防災機能を賄うのではなく、6軒の家々でそれら機能を分担して賄う防災エコタウンです。
それらの家々に共通して言えることは、地震で壊れず、使い続ける事が可能であると言うことです。
先に挙げた防災機能の他に、耐震性を高める事が重要となります。
阿部建設では全ての住宅を許容応力度計算による構造計算を行っています。
世間で建てられている住宅のほとんどが4号特例と呼ばれる簡易的な壁配置のみで建築許可を得て建てられています。
こうした特例が存在する背景として、全棟構造計算を義務付けてしまうと、構造的に知識の薄い建築業者を住宅市場から排除してしまうことに成りかねない、と言われているからです。
皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、姉歯事件(耐震偽装)直後、4号特例を廃止して、全棟構造計算義務化の動きが見られました。
しかしながら、行政がそれを行えば「官製不況」が起きかねないとの懸念から、全棟構造計算義務化の話は立ち消えとなりました。
先に記したように、阿部建設では全棟構造計算を行っていますが、更に考えたのが繰り返しの地震対策です。
その対策として住友理工が開発した制震ダンパーを使い、地震力を吸収して弱める、制震住宅としています。
私は阪神淡路大震災や東日本大震災の現場を自分の目で見てきました。
建築に携わるものとして、少しでも安全な住宅をお客様に提案したいとの想いからです。
その中で、繰り返し起きる地震にも耐えられる住宅の必要性を伝えてきました。
気象庁は今回の群発地震は想定外とコメントしていましたが、東日本大震災でも体に感じる地震は500回以上と言われています。
繰り返し起きる地震で倒壊に至ることもあります。
短い期間に起きた地震としては想定外かもしれませんが、私は住宅の寿命は50年から100年を想定しています。
その期間に起きる地震を考えると、短い期間、長い期間関係ないと感じます。
したがって、住宅における耐震対策として私たちが提案するのは、耐震×制震と考えます。
計算に基ずく耐震性と、制震ダンパーによる地震エネルギーの軽減による提案で、阿部建設はお客様の命と財産を守りたいと思います。
これを行えば完全と言うわけにはいかないかもしれません。
地盤などの影響や隣に建っている建物の影響、火災など、考え出したらきりがありません。
今考えられる、ベストな形を阿部建設では考え、提案します。