北海道に行ってきました!

2023.12.13

  • 施設建築・横河システム建築

今年の9月、(一社)全国工務店協会 中大規模木造委員会が企画した【当麻町役場】の視察研修に行ってきました。 私は中大規模木造委員会の委員を務めており、日々、木造施設の最新情報を得ています。


こちらの庁舎は、100%当麻町内で伐採された木材を使って建てられています。国内の木造庁舎としては、比較的規模の大きな庁舎の1つです。

中には、執務室の他に議事堂もあり、仕切りがほとんどない大空間が広がっていました。職員の方も町内の方も利用しやすい、風通しの良い雰囲気がうかがえます。

不特定多数の方が使う施設であるため、高い防火性能が求められますが、準耐火構造とすることで内装に木の柱や梁がデザインとして見えるよう仕上げています。

断熱性を付加する意味で、木質バイオマス燃料を活用した空気式床暖房も備えられています。職員の方のお話では、冬の時期でも足元は寒くないとのことでした。

寒冷地と言うことで、屋根に雪が積もった場合の積雪荷重計算を行うのですが、㎡あたり170Kgと、凄まじい荷重を受ける構造設計となっています。 さすが北海道です。ちなみに名古屋市周辺では㎡あたり60Kgなので、約3倍の積雪荷重を見込んでいることになります。

この地域ならではのさまざまな制約がありながらも、室内にはふんだんに木を使い、また、木の構造体の一部を現しとすることで、木造であることを大きく印象付けた、素晴らしい庁舎でした。

こうした耐震性、高断熱、床暖房を備えた施設建築は阿部建設でも多くの施工実績があります。日本で1番寒い地域での木造施設を視察できたことで、私たちが考えている施設建築の方向性と同じであることを認識でき、大変有意義な視察研修となりました。

 

●こちらの建物は、2019年グッドデザイン賞を受賞しています。

当麻町役場