庇の長さはどうやって決まっているの?
2014.09.03
- 阿部建設の仕事
木造住宅の耐震性能はどのように決められていると思われますか?
構造計算を行っていると思われる方々がほとんどだと思いますが、一般的に「4号特例」と呼ばれる、壁量を簡易的に配置した手法で長らく住宅づくりが行われてきました。
実際に構造計算などを行うと、梁や柱に過大な力が加わり、計算上NGとなってしまうことが珍しくありません。
阿部建設では全棟許容応力度計算による構造計算を行った上、制震ダンパーを採用し、大地震でも揺れを抑える耐震+制震住宅を標準仕様としています。
これにより安全性を確認するだけでなく、大地震が起きても繰り返し起きる余震にも耐え、住み続けることの出来る住宅づくりを目指しています。
また構造計算を行っておけば、将来増築したり、改築する際に、柱や梁にかかる力が分かり、構造リフォームが容易に検討出来ます。
前置きが長くなりましたが、今日は庇の長さ(出寸法)について社内勉強会を行いました。
実は木造住宅の庇長さに対する建築基準法的基準・制約はありません。
一般社団法人 日本木造住宅産業協会による指針があるだけです。
庇は、風や地震の他、積雪、太陽光発電パネル積載などの影響を強く受けます。
また、屋根が風などで浮き上がらないよう、垂木(たるき)と呼ばれる屋根下地材を梁や母屋(もや)に強く接合する必要があります。
柱や梁と言った構造材に対する接合方法の規定や基準があるのに対し、垂木の接合方法には規定や基準がありません。
これは屋根下地材となる垂木などは、補足材と捉えられているからです。