能登半島地震から4ヶ月〜あとがき

2024.05.30

  • 制震住宅・制震ダンパー
  • 性能・構造

前回のブログ能登半島地震から4ヶ月話し足りなかった部分を少し…。

私は阪神・淡路大震災以降、大きな震災が起きた際には、現地に行きこの目でその現状を確かめてきました。

新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震…。

訪れる度にこれまでの“当たり前”を覆されるような、自然の恐ろしさを思い知らされました。

今年の2月に訪れた石川県。能登半島地震は、比較的地震の発生確立が低いと言われていた地域で起こりました。そのため、日本において「地震が起きない場所はない」ということが実証された形に…。

実際に現地を訪れてみると、高齢化に加え過疎化も進んでいるためか築年数が古い住宅が多数あり、そのような築古住宅への被害が目立っていました。

一方で築年数が浅い住宅は比較的被害が少なく、住み続けることが可能な住宅も多数ありました。ライフラインが復旧した段階で普段の生活が送れる住宅です。

こうした状況を考えると、大地震や洪水などの自然災害に遭ったとしても、その後「住み続けられるか」が重要になってくると言えます。

家自体の強度はもちろんですが、地盤強度、液状化リスク、ハザードマップの確認などを行い、地域的・地形的な要素も十分加味した上で建てることも重要なポイントです。また、ライフラインが止まっても蓄電池や太陽光発電などを駆使して、一定期間住み続けられる工夫も必要となってくると感じました。

建築基準法が改正され、2025年4月1日の着工物件から新法が実施されます。これまでほとんどの住宅(延べ面積500㎡以下、2階建て以下などの条件を満たす木造住宅)で構造耐力関係規定等の審査を省略できていたものが、構造関連の図書の提出が必須となります。阿部建設では以前から全棟「許容応力度計算」と呼ばれる構造計算を行ってきているため、今回の法改正において新たな対応をとる必要はありません。

被災地で現地の工務店仲間から話しを聞いたり、震災後に出された専門家などのレポートを参考にしながら、その都度阿部建設の仕様が問題ないかを確かめてきた結果、今できる十分な対策を講じてきたと言えます。

私たちが住む東海地域では地盤が弱く、液状化の心配があるところに建てるしか選択肢がない場合もあります。加えて洪水の危険性がある地域も多数存在します。そうした条件でも、地震や洪水が起きた場合を想定し、少しでも被害を抑え「住み続けられる住宅」にするための提案を行っています。

具体的には、耐震性や耐風圧と呼ばれる性能を高くすることや、揺れを低減する「制震ダンパー」を標準仕様として採用。水害が起きた場合の水深を予測して2階又は近くの高台へ避難が可能かなども設計段階で確認します。また、液状化対策として砕石パイル工法(※)を採用したり、津波対策として、南北に一部弱い壁をつくることで波が抜けるようにするなど、さまざまなな視点から“安心・安全”を考えます。

※砕石パイル工法とは、小さく砕いた天然石をその地盤にあうように確実な施工で1本ずつ造り上げ(砕石パイル)、砕石パイルと砕石パイル周辺の地盤の支持力を複合させて、 地盤の支持力を高める地盤改良工法です。地盤全体を強くし、液状化を抑制するなどのメリットがあります。詳しくはこちら

 

地震はいつ起きるか誰も分かりません。だからこそ、被害を最小限に抑える備えも重要な家づくりの要素のひとつと考えます。

阿部建設の家づくりが気になった方は、ぜひお問い合わせください。

 

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熊本地震被災地訪問

東日本大震災被災地視察 2016