能登半島地震から4ヶ月

2024.05.02

  • 制震住宅・制震ダンパー
  • 性能・構造

元日に起きた能登半島地震から4ヶ月が経ちました。

被災地では仮設住宅の建設が進むなど復興の兆しが見えつつも、全半壊した約4万8千棟の住宅や店舗などの解体終了は「想定の1%以下」というニュースが報道され、二次被害を懸念する声も上がっているようです。

そんな中で先月、愛媛県と高知県を中心とした強い地震が発生ました。ここ最近全国各地で地震が相次いでおり、不安に思われている方も多いかもしれません。

 

先月の5日、『あなたの家は大丈夫?今こそ知りたい“耐震”東海ドまんなか!』と題したNHKの番組が放送されました。

「旧耐震」と「新耐震」の違いや、知っておきたい家の安全性、能登半島地震で倒壊を免れた住宅はどんな住宅かなど、“住宅の耐震”と“耐震補強”のポイントが分かりやすく解説されていました。

私自身が長年建築業に携わってきた中で、地震への考え方を大きく変えた出来事がありました。

平成7年に起きた阪神淡路大震災です。

震災が起きた際、炊き出しのボランティアで被災地を訪れましたが、現地の惨状は言葉に表せないほどでした。「考えをすぐに改めなければならない」と痛感したことを今でも鮮明に覚えています。

会社に戻りすぐに行ったことは、耐震性を高めた建物仕様に切り替えること。それと合わせて耐震性能を“根拠のある確かなもの”にするため、許容応力度計算を標準仕様として採用してきました。

※阿部建設の詳しい仕様については、こちらをご覧ください。

耐震性を高めた仕様や間取りに加えて、制震ダンパーと呼ばれる住友理工が供給するTRCダンパー(制震ダンパー)を標準仕様としています。特徴は「繰り返しの地震にも強いこと」。先ほど紹介したNHKの番組でも、繰り返し起きる地震が建物強度を弱くすると解説していました。

この制震ダンパーを採用すれば地震力を30〜50%軽減することができ、繰り返し起きる地震にも有効です。実際に、東日本大震災や熊本地震でもこのTRCダンパーを採用した住宅が多くあり、その実力が証明されています。

番組内では、「耐震リフォームをしてくれる業者を行政に問い合わせてみてください」とアナウンスしていました。基本的に行政は業者を紹介してくれません。しっかりと仕事をしてくれる業者を自分たちで探すしかありません。

※愛知県では、昭和56年5月31日以前に着工された旧基準木造住宅の無料耐震診断を実施しています。詳しくはこちら

 

それでは、信頼できる業者を見つけるにはどうすればよいでしょうか。その指標として以下のことを参考に業者選びしてみてください。


①構造や耐震補強についての知識が豊富である

新築などの構造計算(許容応力度計算)を自社で行っていたり、内部構造までしっかりと確認する“精密診断”が行えるなど、耐震・制震など、地震に対する十分な知識があるか確認しましょう。

②施工事例が豊富であり、耐震補強を施したリフォーム事例の見学が可能

オーナー様の家を案内してもらうなど、設計〜工事〜アフターメンテナンスまで、手厚いサポートがあるか「生の声」を聞くことをおすすめします。コスト面についても適正であったか、実際に建てた人の意見を聞くと参考となることがあると思います。

③耐震診断やその補強計画が可能な木造住宅耐震診断員がいる

耐震診断員(あらかじめ県の講習会を受講し登録した建築士)がいて、補強計画まで立てられる知識のあるスタッフがいることも重要です。こちらのポータルサイトでは、市区町村別に業者を確認できます。


新築を建てるより、“構造の変更”や“補強を伴う改修工事”の方が経験が必要で、難しい工事だと思っています。加えて、デザインや間取り、使い勝手を良くするなど、機能面の向上も大切なリフォーム要素です。そうした意味でも、どんな考えでどのように設計・工事を行っているか、納得のいくまで説明を受けることが大切です。

 

阿部建設は120年の歴史の中で、新築はもちろん、リフォームやリノベーションも数多く手掛けています。確かな技術と実績も豊富ですので、ご興味のある方はお問い合わせください。