愛知建築士会22年度研修旅行in奈良

2010.12.09

  • 阿部建設の仕事

今年の建築士会研修旅行も研修委員を拝命させて頂いている立場から、私が行ってみたかった平城遷都1300年祭を中心に奈良を訪れてきました。

「せんとくん」が私に似ているという未確認情報がありますが、似てますかねぇ~(笑)


さて冗談はさておき、まずは平城宮跡(世界文化遺産登録済)を訪れ、朱雀門(1998年竣工)と第一次大極殿(2010年竣工)を訪れました。

文化庁が全額国費を投じ進められてきた、史跡保存整備事業です。


木造建築としては国内最大級の建造物です。



どちらの建物も勇壮で、こんな巨大な木造建築物がかつて存在していたと考えると、感慨深いものがあります。


復元にあたり図面などが残っていなかったことから、中国に現存する建物を参考に復元されています。


次に「正倉院展」が開催されている国立奈良博物館を訪れました。


ここは先般ご紹介した吉村順三氏が設計されている建物であり、吉村氏の設計意図がよくあらわれて建物として有名です。


今年の目玉は5弦のびわです。昨年は4弦のびわを見ましたが、今年びわの方が装飾が細かく、美しく見えました。


次は有料ガイドさんをお願いし、東大寺 大仏殿を訪れました。

説明はわかり易く、面白い表現を工夫して述べて頂けたので、さすが有料ガイドさんをお願いしただけの価値はありました。


その一つをご紹介すると、戦国時代の影響で幾度となく大仏殿が焼失しており、今の大仏澱は江戸時代に建てられた3代目であり、最初の大仏澱は写真の模型の通り、今より1.5倍も大きかったということでした。


また遠近法を使った建築手法が使われ、建物のバランスを図っているなど、先人の知恵には驚かされました。


次に二月堂を訪れました。同じ東大寺の敷地内にありながら、私自身訪れたのは初めてでした。

斜面に建つ二月堂。ここは「お水とり」の儀式で有名な建物です。


最後に奈良市写真美術館を訪れました。


地下に広がる展示スペースは隣の新薬師寺の景観を考慮してのデザインで、建築家 黒川紀章が設計しています。

バスが近づけない立地に建つため、観光客も少なく、隠れ家的な美術館です。


この美術館は仏像写真で有名な 入江泰吉の写真を所蔵しています。


学芸員の方から直接説明をして頂くことができ、写真を撮影する際の状況や光景をお聞きすると、また違った見方ができました。

とても美しく、その瞬間を捉えた写真は、必見です。


このように多くの建物や美術品を見ることで、私自身また新た発見がいくつもありました。


積極的に視察などを行うことで得られる情報を整理し、皆様の住宅、施設建設造りにお役立つ提案をこれからもしていきたいと思います!