バリアフリー情報ポータルサイト「IKKEL(イッケル)」誕生!
2025.01.29
- 心のバリアフリー
バリアフリー情報を伝えるポータルサイト「IKKEL(イッケル)」が、昨年秋に誕生しました!3年前から準備を進めてきた今回の一大プロジェクト、その概要についてご紹介します。
皆さんが旅行に行きたい!と思った時、楽しみのひとつが、“旅館”や“ホテル”という方も多いのではないでしょうか?
「旅行サイトから地域を選んで…」
「日付を選んで…」
「お部屋のタイプを選んで…」
「食事はどうしようかな?」
写真を見ながら良さそうなプランを選んで…予約完了!
そんな当たり前が、実は障がい者や高齢者にとって、とてもハードルが高いことをご存知でしょうか?
「入り口にスロープはある?」
「お風呂に段差はある?」
「トイレの広さは?」
「食事の提供は?」…
挙げればキリがないほど、事前に知っておきたい情報が山ほどあります。
しかし、高齢者や障がい者が利用できる宿泊施設は全国にたくさんありながらも、一般的な宿泊サイトや各施設のホームページを検索をしても、なかなかこういった情報が出てこない…。また、情報があっても表示の仕方や内容は施設独自の目線で発信されるものなので、分かりづらいこともしばしば。結果的に、ホームページを何度も見返したり、直接電話で問い合わせたり、予約ひとつでも大きな労力を要します。
そして実際に現地に行ってみたら…「思っていたのと違っていた」「どうしよう」
そんな経験を私もこれまで何度もしてきました。
せっかくの楽しい旅行でそんな思いをして欲しくない。私自身の苦い経験や思いから生まれたのがこの「IKKEL」です。IKKELでは、全国の宿泊施設のバリアフリー情報を掲載。希望を選んで絞り込むなど、カテゴリー検索ができるようになっています。介護食(嚥下食)、現地ヘルパーの派遣、介護タクシーなどの相談可否も確認でき、“一定の基準”を設けることで、自分に合う宿を簡単に探すことができます。
また、IKKELでは「自分で確認できる」ということを大切にしています。人それぞれ使いやすい仕様や高さなどはさまざま。情報が分かれば、自分自身で判断することができます。そこで取り入れたのが、3D画像(Matterport)です。写真とは違い、実際にそこにいるかのように客室内を360°ぐるりと見渡すことができます。
気になる段差などの寸法も分かりやすく表示。メジャー機能もあるので、気になるところは自分で測ることができます。
掲載されていないことで、知りたい情報があれば直接宿に問い合わせしていただきますが、ここでポイントなのが、こちらに載っている施設はすべて“高齢者・障がい者ウェルカム”なお宿であるということ。バリアフリーやユニバーサルデザインを大切にしている施設なので、問い合わせもしやすくなります!
このプロジェクトは、日本福祉大学・金城学院大学と共同研究で進めてきました。専門家の意見をもとに、掲載するバリアフリー情報を吟味し、絞って掲載しています。客室全てがバリアフリー法などで定められた基準を満たしているわけではありません。自身の身体の状態や障がいの程度に合わせて、自らが使えるか判断できるサイトです。
「今まで諦めていた旅行に行けるかも!」
「旅をもっと楽しめそう!」
「安心してお客様をお迎えできる」
利用者側と宿泊施設側、それぞれの認識の差を埋めることによって、どちらにとっても満足度の高いサービスに繋がるものだと信じています。今後はさらに掲載する宿泊施設を増やしつつ、飲食店や観光地など新たなカテゴリーも増やしていく予定です。
このIKKELがもっともっと多くの方々の目に触れ、認知され、社会に役立つ情報サイトになれるよう努めていきます。ぜひ無料の会員登録をして利用してみてください!
無料の会員登録はこちらから!
ありがたいことに、さまざまなメディアに取り上げていただいています!
▶︎新建ハウジング「車いすの建築士」が構想 バリアフリーな宿泊施設の紹介サイト」
▶︎ケアマネージャー・介護職のための提案誌「TeLi De vol.9」
▶︎京都新聞(2025年1 月11日付 京都総合)