十州楼見学会in北区
2011.08.10
- 阿部建設の仕事
愛知建築士会名古屋北支部及び大曽根歴史まちづくり推進協議会主催の十州楼見学会が開催されましたので参加してきました。
十州楼は明治の終わり頃、大曽根の地に建てられた、料理旅館です。
時代の変化と共にその役目を終え、現在は時々催し物などを行うだけとなっています。
玄関は時代を感じさせる堂々とした玄関構えです。
玄関脇の応接間。
天井にはトランプを貼り付けたユニークなデザインとなっています。
内部は欄間や取手が部屋ごとに変えられたデザインが施されています。
こおもりを模った欄間。
ウサギの形を模った取手。大変手の込んだ、一品物です。
当時のままのガラスは歪んで見えるため、それがかえって赴きを生みます。
建築的には遊び心と職人の技がふんだんに使われた建物として有名で、維持・存続を願う声は内外から聞かれますが、現状は厳しいものがあることも確かです。
今回の見学会では専門家を交え、存続についてのシンポジュウムも開かれました。
大曽根歴史まちづくり推進協議会では大曽根界隈の歴史的建物群を取りまとめ、商店街と併せて観光地化することを考えていますが、古き良き時代のものを現代で使ってゆく難しさを痛感した1日でもありました。