楽しさも追求した
バリアフリー住宅

青木様邸

機能的であること。
喜びを感じること。どちらも叶える空間を。

4人で暮らす青木さんご一家の二階建てバリアフリー住宅。
ご主人は交通事故により車いす生活となり、入院中からご夫妻の家づくりが始まりました。
住まいのどこへでも車いすで行くことができ、ひとりで趣味に打ち込む時間も、にぎやかな家族団欒も満喫。
将来の変化にも備えた住まいをつくりました。

1階にも2階にも、車いすで
行けない場所をつくらない。

入院中から始めた家づくり。
補償問題を解決して本格化。

ある日突然の交通事故によって車いす生活を余儀なくされた青木さん。それまで暮らしていた集合住宅では外出や生活がままならないと考え、事故から4、5カ月後の入院中にバリアフリー住宅を検討し始めました。その中で阿部建設を知ったきっかけを、奥様はこう振り返ります。
「インターネットでバリアフリー住宅を検索して知り、阿部社長の著書『木の家と太陽と車いす』も見つけました。偶然にも、主人のリハビリの先生が阿部社長と知り合いというので、紹介してもらったんです」。 最初は病室でざっくばらんに話をしました。
「家づくりも、車いす生活も、生まれて初めてのこと。最初のうちは手が上がらず、できないことが多かったし、この先どうなっていくのかが分からなくて、とにかく不安でした」とご主人。「気持ちを汲み取ってくれ、家を建てるなら、この人がいい!」と阿部建設を選んでくれました。
実は交通事故の場合、具体的な設計や土地探しを始める前に、損害賠償という補償問題が横たわります。補償内容が建設費用に大きく影響を及ぼすのが現実だからです。青木さん側と相手側との交渉がスタートして2、3年後、阿部建設が紹介した弁護士も加わり、その1年後に示談が成立。ようやく家づくりが本格的化しました。

駐車場との高低差は昇降機で解決。
奥様にとっての利点も。

駐車場との高低差は昇降機で解決。
奥様にとっての利点も。

まずは住まいの敷地を探すことに。ご主人の職場に近いエリアに、対象を絞りました。
「職場へは私が車で送り迎えするので近いほうが便利ですし、もし主人が出勤後に体調をくずしてもすぐに帰れる距離がいいなと思ったんです」。
土地探しや仮住まい先探しも阿部建設でサポートし、目の前に公園が広がる心落ち着くロケーションがご一家のマイホームの場所に決まりました。
ご主人が思い描いたマイホーム像は「段差がなく、車いすでどこにでも行け、機能的かつシンプルな家」、奥様は「車いすで過ごしても圧迫感がなく、バリアフリー住宅らしさを押し出さないスタイリッシュな家」で、車いすでの使い勝手と居心地のよさ、センスのよいシンプルデザインを目指しました。

ただ、車いすで生活するにあたって「どんな設備が必要なのかまったく分からなかった」といい、「車いすの先輩」という阿部一雄のアドバイスで取り入れたものも数多くあります。
「例えば、駐車場と玄関は高低差があり、車いす用の電動昇降機を付けたのですが、当初は機械よりスロープを使うほうが早いのではと思っていましたね」と奥様。スロープは、車いすで進むには傾斜を緩やかにする必要があり、そのために長さが求められるので、限られた敷地内では距離を延ばすのが難しいケースが多々あります。一方、電動昇降機はご主人がひとりで上り下りできるという利点に加え、奥様が「その間に準備をしたり、荷物を車から下ろしたり」でき、ほかの用事を進められるメリットもあります。

4年ぶりに自宅で入浴。
機能的な設備で車いす生活を支える。

4年ぶりに自宅で入浴。
機能的な設備で車いす生活を支える。

機能的な設備はほかにもあります。家の中に車いすで行けない場所をつくらないという考えのもと、1階と2階をつなぐホームエレベーターを設置。ボタンひとつで、ご主人は自由に上下階へ移動できます。奥様も「ホームエレベーターは費用がかかっても、幅広い視野で見ると便利で安心。いつも主人と一緒にいないとダメという観念にとらわれることなく、お互い気持ちがラクですね」と話します。
また、ご主人の居室は1階にあり、部屋から洗面室を通って浴室まで、天井に一直線のレールを設置しました。入浴の際は、レールから吊り下げたハンモックに乗って、ベッドから浴室へ移動します。
「自宅の湯舟につかったのは、実に4年ぶりでした。仮住まいのマンションでは浴室に段差があったし、シャワーキャリー(入浴用車いす)での入浴しかできませんでしたから。ぶつかったり落ちたりしないか、介助する側もされる側も心身ともに結構疲れるんです。この家は天井走行レールを付けたことで、最初こそ使い方に戸惑ったものの、慣れたら快適に入浴できるようになりました。湯舟につかれるのは本当にうれしいですね」。

遊び心を大切に。
機能はあらゆるケースに備えて。

リビングとインナーバルコニーから
緑豊かな眺めを。

「車いすで圧迫感がないこと」を希望した奥様の思いをカタチにしたのは、2階のリビングと、そこから段差なく外へ出られるバルコニーです。天井の高いリビングにいながら公園の豊かな緑を眺めることができ、奥行きたっぷりの広いベランダでは、風を感じながらのんびりとくつろげます。車いすからは目線が低くなるため、手すりの高さやデザインを考慮し、視界をできるだけ遮らないようにしました。
また、キッチンは奥様ご要望の造作家具や仕様を取り入れ、生活感を抑えたスタイリッシュな雰囲気に。電子レンジやトースターなどの家電類は、木製扉の造り付け棚に収納。ティッシュケースはカウンターの埋め込みスペースに置いて、外からはものが見えないすっきりとした空間にしています。

ネガティブな状況や将来も
念頭において。

もう一つ、ご夫妻が希望したのは「元気なときだけでなく、体調のよくない場合も考えた家」でした。体調に関わらず、またこの先年齢を重ねていっても、安心して暮らせることを重視しました。
「住み始めてよさを実感したのが、主人の部屋の位置です。訪問介護の方が週に3回訪れますが、ほかの部屋の前や廊下を通ることなく、玄関からすぐに主人の部屋に入れます。もし、私の具合がよくない場合も、こちらの状況とは関係なく、普段通り介護してもらえますし、それまでに洗濯や掃除を終わらせて家の中を片付けておかないと‥と焦ることもありません。ほかに、ホームエレベーターなどの設備も、年齢を重ねた時にさらに役立ちそうで、長い目で見ても必要だと思いますね」。

お気に入りを集めた“工房”で、
わくわくする時間を。

お気に入りを集めた“工房”で、
わくわくする時間を。

追求したのは機能性だけでなく、とことん趣味を楽しめることも。ご主人の居室は、お気に入りに囲まれて好きなことに打ち込める“工房”になっているのです。小学4年生から始めた魚釣りの道具、ミニ四駆、ドラゴンボールやゴジラのフィギュアがずらりと並び、手入れをしたり作ったり微調整したりと「何かしら手を動かしている」といいます。居室の引き戸も、好きな釣りポイントである琵琶湖の形を切り抜いたデザインになっており、徹底した趣味の空間です。今後は、まだ空のままになっている水槽をセッティングして淡水魚を迎え入れ、魚の世話をしつつ姿を愛でる日を楽しみにしているそうです。お嬢さんが最近釣りデビューをしたそうで、親子で趣味を共有する日も近いかもしれません。

ライフサイクルやライフスタイルの
変化にも柔軟に対応。

このほか、1階にはふたつの子ども室を配置。現在は間仕切りがなく、成長に合わせて二部屋に分けることを想定しています。そしてお子様が巣立った後まで見据え、ゆくゆくは奥様の寝室にしようという計画も。長期的なライフサイクルの変化に応じて柔軟に対応できる造りにしています。
「引っ越してきたばかりなので、今後は暮らしをより楽しめるよう少しずつものを揃えていきたいと思っています。例えば、バルコニーに人工芝を敷いたりハンモックを置いたり。時にはテーブルや調理道具も出して、BBQを楽しみたいですね。家族みんなで、そして新たに仲間に加わったトイプードルも一緒にゆったりとくつろげたらいいなと思います」と奥様は語ります。ご家族の長い物語の新しいページは開いたばかり。安心や快適を軸に、楽しさを増やしながら将来へと続いていきます。

駐車場には、雨の日の外出をサポートする大きなカーポートを設置。雨に濡れずに車を乗り降りしたり電動昇降機を使ったりできます。

玄関の壁に沿って造作ベンチを設けています。このベンチを使って屋外用車いすと屋内用車いすを乗り換えます。

ホームエレベーターには、車いすの向きを変えて後ろ向きで乗ります。そのため、エレベーター前は車いすが回転できる広さを確保しました。

ファミリークローゼットとして収納スペースを集約し、片付けをラクに。ハンガーパイプも可動棚もあって使い勝手のよさも抜群です。

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