自立をサポートする
バリアフリー住宅

上田様邸

家を大きく変えず、
リフォームで
くらしやすさを実現。

毎朝、自ら車を運転して会社へ向かい、休日には友人と過ごしたり、時には一人旅にも出かける上田さん。
アクティブなくらしを支えるのは、ご家族の思いと、行動範囲が広がるバリアフリーの住まいです。

思いもよらない提案に
驚きの多かった家づくり。

何が起きてくるのか
分からないなかスタート。

上田さんが大学4年生のとき、入院していた病院のOT(作業療法士。体の機能回復のためのリハビリテーションを指導・援助)を介して紹介されたのが、阿部建設社長の阿部一雄です。交通事故によって、ある日突然生活が一変し、「これから体の状態がどうなっていくのか、くらし方がどう変わるのか想像すらできなかった」と振り返ります。
「最初は本当に分からないことだらけでした。そこに車いす生活の先輩である阿部さんからアドバイスや提案があったので心強かったです。行動的で明るい人柄も励みになりました」。

自分だけでなく家族に
とっても快適な家に。

自分だけでなく家族にとっても快適な家に。

退院後、車いすでくらすために住まいをどうリフォームするか。当初は玄関までスロープを設け、1階に上田さんの部屋をつくる案が持ち上がりました。そのためには窓を取り替えなければならなかったのですが、それが難しいことが判明。1階に新たな部屋をつくると、リビングが小さくなるため、これにも葛藤が生じました。上田さんは大がかりなリフォームには抵抗があったそうです。
「家を大幅に変えるのはいやだなと思っていました。ここで生活するのは、僕だけではありません。なるべく家族には影響が少ない方がいいですから」
「リビングが狭くなると、落ち着かないのではという心配がありました。それに、家族が食事をしたりテレビを観たりする日常生活の場のすぐ隣に自室があると、息子もリラックスできないように思いました。友達が遊びに来てくれても、気兼ねさせてしまうかもしれませんし」というお母さんの懸念もありました。

2階のエレベーター前はタイルカーペットが敷かれたエリア。帰宅すると、ここで1回転してほこりを落とし、室内用の車いすに乗り換えます。

以前と同じ2階の部屋で
プライベートな時間も大切に。

棚は階段にもなり、収納スペースへと繋がる。

以前と同じ2階の部屋で
プライベートな時間も大切に。

そこで阿部建設が提案したのが、上田さんの部屋を2階につくること。ホームエレベーターで移動を可能にします。
「2階で生活ができると聞いて驚きました。上階へ上がれるなんて、まったく頭にありませんでしたから」。
もともと玄関だった場所を、車いす専用の玄関にして、エレベーターを設置。1階も2階も一人で行き来できるようにしました。ご家族の玄関は、それまで作業場になっていたスペースに新たに設け、家に2つの玄関を構えることにしました。
こうして、上田さんはエレベーターで2階へ上り、以前と同じ2階でくらすことになったのです。自分の部屋で、ボールを使って筋トレをしたり本を読んだりといったプライベートな時間も楽しんでいます。

安全かつ快適に
カスタマイズした生活空間。

タンスや靴箱の下部は空けて、車いすでアプローチしやすいように。手が届く位置に洋服や靴を収納します。

雨が降っても、いつも通り
外出できるように。

雨が降っても、いつも通り
外出できるように。

上田さんの趣味はツインバスケ(ゴールが高い位置と低い位置の二組設置された車いすバスケットボール)。岐阜県のチームに所属しており、週に2回練習に行き、休日は関西方面へ遠征試合に出かけることもあります。趣味にも通勤にも車が欠かせませんが、雨が降ると車いすでの乗り降りはたいへんです。車外に止めた車いすから運転席に乗り移り、車いすを持ち上げて車内にしまわなくてはならず、降りる場合はその逆の手順を踏みます。一定の時間がかかるため、その間に濡れてしまうからです。
そこで駐車場に大きなカーポートを取り付け、雨天にも対応。休日も通勤時も、天候に左右されず快適に乗り継げます。

シミュレーションを重ね、
無理なく使えるように。

帰宅したらホームエレベーターのなかから、外側にある玄関扉も閉めます。設計段階では扉の錠の位置をどこにするかが課題でした。施錠するには体をひねって手を伸ばしますが、当初は左手があまり動かなかったため、無理のかからない位置を探りました。シミュレーションを何度も繰り返し、適切な場所を判断。これにより問題なく施錠ができるようになり防犯面も安心です。

毎日必ず使う場所は、
安心できて便利なように。

毎日必ず使う場所は、
安心できて便利なように。

日常生活に不可欠のトイレ。排泄には特別な用具を使うため、1回1~2時間必要なこともあります。長い時間を過ごす場所だからこそリフォームの重要ポイントになります。
2階の部屋の近くに適度な広さを確保し、手すりの位置や向きを上田さんに合わせて設置。用具を取ったり置いたりできる収納スペースも設けました。
「トイレが快適で、気持ちよく使えるから助かります。収納棚は車いすの足元が引っかからず、必要なものを自分で取れるのでストレスがかかりません」。
また、浴室はバスタブに福祉用具のボードを載せて、その上に腰掛けて体を洗います。
「今は一人で入浴しますが、最初は“一人で”というのは考えられなかったですね。怖さが先に立ちました。常に誰かがいないと不安で‥」。
実は初めのうち、浴室にリフトを導入しようと考えていたそうです。しかし、阿部建設では上田さんの体の状態や身体能力を踏まえた上で、大がかりなリフトを使わなくても済むのではないかと提案。ボードと手すりを取り入れ、シャワーの位置を変更するだけにとどまりました。
「一人でお風呂に入れると、出張や旅行に出かけても問題ありません。ホテルでも自分で入浴しているんですよ。可能性を狭めない選択をすることが大切と実感しています」。
浴室、トイレ、エレベーターなど必要性に合わせてリフォームした住まいは、自立度を高める工夫が随所に施されています。

ロフトだったスペースが、リフォームで物置に。デスク正面のボックスは、本などを置く棚であると同時に、物置へつながる階段にもなっています。

リフォームによって、ベッドを快適に過ごせる場所にしました。車いすを使わなくても、本や小物を取れ、スマートフォンも充電できます。

玄関は一つから、二つになりました。ご家族の玄関(After左)と車いす専用(同右)に分けたことで、どちらも安全でスムーズに出入りできます。

雨の日の通勤や外出を考慮して、リフォームで駐車場にカーポートを設置。濡れる心配がなく、落ち着いて車いすからの乗り降りが可能です。

バリアフリー化を
考えている人へ伝えたいこと。

誰しも、自宅を障がいの実情やライフスタイルに合わせてバリアフリー化するとなると戸惑いが多いものです。今、迷っている方へどんなアドバイスをされるか聞いてみました。
「くらしの細かい事柄まで突き詰めて考えないと、後から困り事が起きそうですが、実際に車いす生活をして初めて気づくことが多々あります。自分で思い至らなかったところを、医療関係の方々とは異なる視点でサポートしてくれたのが阿部さんです。誰に相談するかは大事ですよね」。
「私がオススメしたいのはホームエレベーターです。車いすだからと外出が億劫になってはもったいないと思うのです。エレベーターが外へ行くにも家のなかでも、一人での行動を手助けしてくれると感じています。それにこれから30年、40年、50年ずっと生活していかなくてはいけません。年齢を重ねたときにも、安全でくらしやすい家にしておくとよいと思います」とお母さんは話します。

この先もこの家で
紡がれる家族の物語。

新しい部屋ができ、そこから社会人生活も始めた上田さん。今後どんなことにチャレンジしたいのでしょうか。「いつか、家事をしたいです。今まで母に任せっぱなしだったので。何年後か、何十年後になるか分かりませんがやってみたいです」。
「それはいいことを聞いた!」とお母さんが喜ぶと「あくまでも目標です」と上田さん。
ここに辿り着くまでの道のりも、これから歩む未来も包み込む家で、上田さん一家の物語が育まれていきます。

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